魔女オジバジオがつかさどるツリーハウスの空間。彼女の魔法で全てが始まる ゼネラルプロデューサー 小畑芳和氏

Beポンキッキ

『Beポンキッキ』とは……2008年4月7日開始。BSフジで毎週月曜~金曜7時30分~8時放送(再放送は17時~17時30分)。地球のとある島にあるツリーハウスを舞台に、そこをつかさどる魔女やかわいいい女の子、いろんな生き物、飛行機のおじさんたちとともに、歌やお料理、手作りホビー、踊りのコーナーなどを展開していくのである。

「Beポンキッキ」のBeは、「存在みたいなことを含めていろいろな意味がある」という。ポンキッキはフジテレビがすすめてきた幼児番組の、結果的に旗印になった。いまここで、Be……そうあろうというのは、結構なマニフェストである。深読みかもしれないけれど。 35年前から始まり、リニューアルを繰り返しつつも可能性とコンセプトを継承しながらやってきたポンキッキ。今はこんなふうになっているのだ。そして未来は、こんなところを目指すのである。 


―キャスティングがユニークだと思うんです。大塚ムネトさん、マイク眞木さん、ダンテさんにピーターさん。必ずしも子ども向け、というか感じがしませんね。
 BePonStCast
「ステキな方と、子どもに向けて発信したい」というのがキーワードなんです。別の言い方をすると、その人が売れてるか売れてないかというよりは……もちろん売れてるみなさんはその根拠になるようなステキな部分があるのは確かなんですが、ともかく「人間的にステキな人」というのがひとつの大きな軸ですね。昔、子ども番組っていうと、踏み台みたいな時代があったんですよ。クイズ番組のアシスタントみたいなもので、それをゴールとして目指してるわけじゃなくて、入口にして「がんばろう!」という人が多かった。当然、自分のやりたいことや本業は持っていたって構わないんです。それらと同じように子どもと向き合うことを楽しんでくれる人たちとご一緒したいと思っています。これはみんなに徹底している考え。もちろんキャストだけでなく、スタッフもそうです。 


―なかでも、大塚ムネトさんは九州でお芝居をやってる方なんですね。

昔あったミュージカル『スターライトエクスプレス』のような、頭に機関車とか何かをつけた世界を子ども番組でやりたいと思っていたんです。着ぐるみは着ぐるみでおもしろいですけど、頭だけ何かつけてるのもいいよねって(笑)。「Beポンキッキ」をスタートするにあたりスタッフでいろいろ企画していました。そうしたらたまたまそういうことをしている劇団があって、もう10年ぐらい活動されていると。舞台も拝見しました、これがおもしろい。会ってお話ししてみたらこれまたおもしろい、素敵な方だった。それで、お声をかけさせていただきました。ありがたいことにお請けいただいたので今日がある。収録のときは、大塚さん、福岡から毎回来てもらっています。 


―キャラクターって重要ですよね。

子ども番組で着ぐるみをよく使うのは、ある種の媒介としてなんですね。たとえば普通のおじさんとクマのぬいぐるみがいれば、幼児はクマの方により関心を持つ場合が多いそうです。そこで関心を持っている人……というかこの場合はクマ、に何かを言われるときちんと聞いてくれるんです。子どもたちがそんなふうに関心を持てる存在を作ろうと考えるわけです。それと幼児期の子どもたちを相手にしている着ぐるみは“ぱっきり”としたカラーリングになってるんですよ。線で囲まれた部分は1色、この時期にはグラデーションという概念がまだありません。ディズニーランドの『イッツ・ア・スモールワールド』なんて見事に、そのデザインでしょ? わかりやすく見やすい。グラデーションという概念が入ってくるのはもっと後年ですね。 ガチャピンとムック


―導入部分で魔女が登場して本を開いて出演者が現れる演出になっていますね。

まだちっとも伝わってはいないと思うんですが(笑)……その前にオープニングがあって、ツリーハウスが出てくるんです。あの家の中に、MCたちの出てくるスタジオの広い空間がある。その世界を取り持っている役が、あの魔女オジバジオという設定なんです。小さい子どもたちに向けて、「毎回同じで、トビラが開いて始まる」的な、安心感となる繰り返しの導入部分です。 


―・・・というMCのみなさんが出てくるスタジオ部分があり、各コーナーが差し挟まれる構成になっています。日によってその組み合わせが違うと思うんですが、何かルールはあるんですか?

スタジオで大塚さんたちが登場しているMC部分は、放送の構成プランに沿ってまとめて収録しています。並行して日によって入っているコンテンツは、各コーナーごとにテーマに沿って別レールでどんどん作っていきます。“音楽”とか “アニメ”とか15秒~30秒の短いスポットなどです。そして構成に沿ってMC部分の間に、各コーナーをサンドイッチしていくという感じですね。サンドイッチするコーナーは編集時点で入れ替えたりの調整をしております。 


―制作の上での苦労ってありますか?

お金がないということですねー(笑)。極端な話、大人相手の番組って、面白い芸人さんをひとり座らせておけば成立する可能性はあるんですよ。でも子どもはおじさんが座ってしゃべっているだけでは面白くないですよね。だから、何かが起こらないといけない。そこで何かしようとすればするほど制作費はかかりますからね。だから、「金はないので知恵を出してがんばりましょう」ということを掲げて、若いスタッフにがんばってもらっているというところでしょうか(笑)。 


―スタッフのみなさんやっぱり子ども番組が好きで作ってるんですか?

仕事している以上、「子どもなんて嫌い!」っていう人はいませんけどね(笑)。私自身は子どもと向き合うことを面白いと思ってくれている人とやりたいと思っています。まあ、嘘でもいいので「子どものために何かをしたいと思っているんです」って言って欲しいですね。それでもいいかな(笑)。 


―番組を作っていく上で参考にしてるものはありますか?

スタッフ全員そうだと思うんですけど、自分の生きてきた道のりが財産で、それらすべてを参考にしてるんじゃないかな。私は高校時代から映画が大好きで、映画をいっぱい見てきた。それもヒントになってるし、テレビも大好き。つまんなくてもテレビがついてる人生を過ごしてきたので、そういうのも何らかの形で役に立っているのでしょうね。ともかく人の作ったもの、映画でも絵でも本でもたくさん見たほうがいいと思っていて。いまも『パコと魔法の絵本』が観たいんですが、なかなか時間がなくて。 


―さて、これからどういう部分を強化していきますか?

ええと、歌ですね。子どもと向き合うときに音楽は大切だし、子どもにとっても楽しい要素なので。子どもたちが何千人とか1万人ぐらい熱狂するライブなんて出来たら最高ですね。みんなで一斉にお遊戯じゃなくて、両手でステージ指さすだけみたいなライブっぽいノリを小さい頃にも出会わせてあげたい。中高生はそうやってノッてるのに、子どもだというだけで何だかみんなそろえてお遊戯みたいな形になっちゃうんですよね。それはそれで意味はありますが。そんなのメンドクサイ(笑)、ノリノリの方が楽しいじゃん、なんて気分も味合わせてあげたい。そうやって踊りたくなるような歌を作って、子どもたちが熱狂してくれたら最高ですね。 


―童謡とかじゃなくって。

いえ、もちろん日本の伝統的なものもいっぱい知ってほしいです。番組の情報量が多くなりすぎるのはイヤですけど、いろんなものをどんどん知ってほしい。それで大きくなったら自分で判断して、必要じゃないものは捨てたらいいんですよ。 子ども社会をステキにするには、大人が素敵になるしかないと思っています。でも最近、大人を変えるのはなかなか大変すぎると実感しています。だから、今の子どもにステキになってもらいたい。20年後にはステキな彼らはステキな大人になってます。そうすることで構造が変わるかなと思っています。だから、ステキな子どもを育てるプラスアルファの新規事業も、今みんなで考えています。 


(取材=小杉文彦/メディアコ)
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番組data
番組名 Beポンキッキ ジャンル 情報
放送局 BSフジ
放送日時 月火水木金  7時30分から8時00分
番組URL http://be-pon.fujitvkidsclub.jp/
主なスタッフ ゼネラルプロデューサー・小畑芳和
プロデューサー・山田洋久、網谷浩恵(敬称略)
スタッフ数 20人
主な出演者 大塚ムネト、ダンテ・カーヴァー、南明奈、チェルシー舞花
マイク眞木、ピーター
清水優哉、宮本笑里、ラバーガールほか
放送開始日 2008年4月から(「ひらけ!ポンキッキ」1973年から2008年で35周年)

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