魔女オジバジオがつかさどるツリーハウスの空間。彼女の魔法で全てが始まる ゼネラルプロデューサー 小畑芳和氏

Beポンキッキ

『Beポンキッキ』とは……2008年4月7日開始。BSフジで毎週月曜~金曜7時30分~8時放送(再放送は17時~17時30分)。地球のとある島にあるツリーハウスを舞台に、そこをつかさどる魔女やかわいいい女の子、いろんな生き物、飛行機のおじさんたちとともに、歌やお料理、手作りホビー、踊りのコーナーなどを展開していくのである。

旧来の幼児番組へのカウンターとして定着しつつあった『ひらけ!ポンキッキ』を小畑プロデューサーは変えた。
前の項で言っていたのは、番組時間の変更や生放送化での、いわば「見た目の変化」。そんなのは、ある種の照れ隠しで、実はそこに深謀遠慮。 番組が対象とする視聴者の年齢に、グッと幅を持たせた。ここにはある目論みというか希望が隠されていたのだ。 そして現実に、子ども番組が未来を目指すことの難しさと突破口……。 


―Beポンキッキの対象年齢はどのくらいですか?

ピンターゲットは6~7歳ですが、それを含めた4~12歳ということでアナウンスしています。 この対象年齢というものも、第1~第3世代で微妙に変わってきています。最初は4~6歳でした。それを『ポンキッキーズ』のときには、4~6歳を軸に12歳まで、という設定にしました。 


―子どもで1歳違うと、まったく番組作りが違ってきますよね。

そうです(笑)。だって、小学館と講談社が学年誌というものを作っているほどですからね。1歳違えば全然違います。でも私たちが考えたのは、こういうことなんです。 たとえば6歳の子が視聴者で、彼に9歳のお兄ちゃんがいるとします。6歳の子は番組を観ていて楽しい。これは狙いどおりです。でもさらに、横にいるお兄ちゃんも観て楽しんでいるのがわかると、その6歳の子はより楽しくなるんです。できればそこまでいきたい。6~7歳をメインと考えているので、彼らに向けて番組を作ってはいるんですが、彼らのお兄ちゃんやお姉ちゃんは、全然違う部分を観て楽しんでくれていいわけです。観ている部分は違っても、番組の楽しさを共有してほしい。 もちろん「ターゲットは6~7歳です」っていう方がわかりやすいし作りやすいですけどね。 


―子どもの1歳は、大人の10歳に相当する……ということを聞いたことがあります。

おっしゃるとおりです。でもわれわれの場合、もっというならお母さんにも楽しんでもらいたいと思っているんです。お母さんが子どものために我慢して子ども番組観ている構図ってイヤですから。 実は「ひらけ!ポンキッキ」を「ポンキッキーズ」に変えたときの一番のテーマが『コミュニケーションスキルの育成』でした。それこそポンキッキ立ち上げのとき、先輩たちがしたように、私たちもいろんな先生方とお話をし、お知恵を借りました。結果、あぶり出されてきたのが当時の子どもたちのコミュニケーション下手だったんです。 一方すでに幼児番組のひとつの役割として“子守りをするテレビ”というイメージがありました。僕はそれが大っ嫌いでした。そういうこともあって“親子で会話ができる番組”を目指しました。でも、当然“子どもがひとりで観ても良質で刺激のある番組”でなければなりませんが。
 

―ということを第2世代で提唱されて、さあ、いまのBeポンキッキ。第3世代のテーマはどういうことになりますか?

「当然コミュニケーションスキルの育成」というのは継承していきます。が、これからの子どもたちに関しては、第2世代のときにちょっと横に置いてきた「情報処理能力の育成」を大きくテーマとしていきたいと思っています。文科省で “考える力”と表現しているのとも近いですが、もっとそれを具体的にどう伸ばしていけるか、大きなチャレンジですね。 


―ウェブサイトに「発達心理学に基づいて番組を制作」とあったんですが……。

幼児期の精神構造がどうなっていて、いかにして発達していくかを研究されてる先生方のご意見をいただいて番組を作っています。私どもは幼児教育の専門家ではありませんから。先生方がおっしゃるのは学術的なお話だから、それを制作スタッフが集まってどう番組として具現化できるかをチクチクと話し合っています。 


―先生とはどのぐらいの頻度で会うんですか?

第1世代のころはすごく頻繁だったようです。第2世代で月に1回ぐらいでしたかね。今は、1クールに1回ぐらい。でも、さぼってるわけじゃなくて、われわれにも経験や事例の積み重ねがありますから。結構昔は番組をご覧になって「む~、違う!」っておっしゃる方もいたみたいなんですが、今はそうでもありません。第2世代で爆笑問題と一緒に「爆チュー問題」というコーナーをやっていました。このコーナーのテーマは「価値の多様性」でした。『言葉遣いが汚い』なんて言われたり、各方面から突っ込まれましたけど、先生方とはテーマを踏まえスクラムを組んでいました。番組審議会でもいろいろご指摘を受けました。が、番組の狙い、意図をご説明するとご理解戴き、がんばってくださいと激励されたりもしました。番組内容はいろんな方面からいろいろご批判をいただきますが、先生方が私どものバックボーンです。子ども番組は制作費が少ないのもよくご存じなので、もろもろ感謝しております。 


―幼児番組が軒並みなくなってきているなか、ポンキッキシリーズはどういう思想で続いているんですか?

制作しているのはフジテレビKIDSという、フジテレビの100%子会社です。フジテレビが子どもたちと向き合ってなにか出来ないか?と考え出来た会社です。時代が変化しメディア状況も変わるなか、子ども社会とどう向き合えるだろうかということが大きな課題だと考えています。放送は、その手段のひとつです。フジテレビKIDSの、会社としての方針のひとつは「子どもたちへの良質のコンテンツの提供」。コンテンツとは子ども番組でも、イベントでも本でもいいわけです。もうひとつは「子ども社会の支援」。フジテレビ時代は番組一本槍だったんですが、別会社にすることで、いろんなチャネルのなかで挑戦ができるようになりました。 


―子ども向けにひとつの事業を育てようという考え方は、テレビ局としては珍しいですね。

事業であることは大切だと私は思います。ボランティアやメセナだけだと長続きさせるのは難しい。きちんとビジネススキームも含めて実践していかなきゃいけないと思うんです。地上波は視聴率でビジネスが動くようにできています。広告宣伝の即効性を考えたら、子どもが育つのを待ってはいられないでしょ。テレビでスポット打つならば、今年か来年、業績を上げたいわけです。だからスポンサーがつきにくい。「子どもと向き合う、理念はすばらしいんだけど……」ということですね。作り手側の話をすれば、視聴率を狙うと、本来やりたいことではないことも考えざるを得なくなる場合がある。それがありがたいことにBSさんでやらせてもらえる……接触率などの調査はありますが、あくまで番組の内容を踏まえて枠をいただくことができています。もう少し時代が変わっていくと、子どものものに予算を割くクライアントが増えていくと思います。2011年には誰でもBSが観られるようになる。そのときを目指して、われわれは準備をしておくだけですね。
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番組data
番組名 Beポンキッキ ジャンル 情報
放送局 BSフジ
放送日時 月火水木金  7時30分から8時00分
番組URL http://be-pon.fujitvkidsclub.jp/
主なスタッフ ゼネラルプロデューサー・小畑芳和
プロデューサー・山田洋久、網谷浩恵(敬称略)
スタッフ数 20人
主な出演者 大塚ムネト、ダンテ・カーヴァー、南明奈、チェルシー舞花
マイク眞木、ピーター
清水優哉、宮本笑里、ラバーガールほか
放送開始日 2008年4月から(「ひらけ!ポンキッキ」1973年から2008年で35周年)

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