このスタジオで、秘蔵のお宝が本物だったりニセモノだったりと明らかになる。プロデューサー 脇坂清人氏

開運!なんでも鑑定団

『開運!なんでも鑑定団』とは……1994年4月開始。瞬く間にテレビ東京の代表的番組となったのみならず、勃興の激しいバラエティ界において安定した人気を誇る。毎回依頼人の持ち込んだ“お宝”を鑑定士と呼ばれる専門家たちが鑑定、その価格をクールに割り出す。ものの価値だけでなく、それに付随する人間模様と、そこを掘り当てる島田紳助・石坂浩二の軽妙&知的トークも重要要素だ。

書画骨董といえばおじいさんおばあさんの趣味という印象が強い。が、この番組は同じアイテムは扱うけれどもっと若年層にアタックするものだとばかり考えていた。違うのだ。熟年なのだ。が、話を聞けば聞くほど、「なるほど」。
愛されるわけがはっきりと見えてくるのであった。 


—スタートは1994年の4月ですね。普通、一般人が関わらない骨董というジャンルを扱いながら人気が出て、気づけば15年目に突入しました。脇坂さんでプロデューサーとしては……。
プロデューサーとしては3代目ですね。放送回数は5月27日でちょうど720回になります。 なんでも鑑定団の台本!


—人気が出た番組はマネされたり、似た企画が後続でできるのが常なんですが、この番組に関してはジャンルが出てきてませんね。
“世間の隙間を縫う”というか……それは、ある種テレビ東京の文化としてあると思います。そもそもこの企画自体がテレ東に向いてますよね。テレ東でやったから当たったんじゃないかという気もします。“そのお宝ははたしていくらなんだろう”という、お金の匂いのする部分(笑)と、お宝そのものの持つ芸術性。これらが、われわれのコアな視聴者である熟年層のみなさんの知的好奇心を刺激したんでしょうね。


—なるほど。『出張鑑定』を拝見していると、ちょっと国民的な番組のイメージもありますからね。NHKの「のど自慢」的な。皆に愛されている感じの…。
非常に田舎っぽい感じの演出ですよね。あの部分のレポーターを担当している松尾伴内と住田隆はずっと変えてないんです。それだけじゃなく、まあ全般的に変えていない。そこが、熟年層が落ち着いてみられる要因でもあるんじゃないでしょうか。“変わらない”という安定感ですね。
 

—構成面においても、丸14年間、ほとんど変わっていない?
そうですね。構成はほとんど変えていません。だいたい1日の放送で、芸能人ひとつ、出張鑑定7つ、一般ネタ2個なので全部で10個ですか……ひとつ大きく変わってきているのは、圧倒的にお宝の数が減っていること。1回10個でこれまで720回以上放送していますから、単純計算で7200個以上のお宝を紹介してきているわけです。実際われわれもこんなに番組が続くとは思っていませんでした。94年に始まった番組の初回視聴率は7%で、2回目に10%を超え、半年後には18%になった。翌年の95年頃には21~22%ぐらいまで上がりました。当時番組がこれほど続くとは思っていなかったので(笑)、いいお宝バンバンと出したという経緯もあります。イイモノがなかなか出にくいなか、スタッフ一丸となって珍しいものを追いかけています。番組にとって、それは命みたいなもので。
 

—スタッフのみなさんは骨董の知識って相当おありなんですか?
ディレクターレベルは鑑定できちゃうぐらい知識がありますね(笑)。番組スタッフとして入った人間は、そのお宝に対して徹底的に調べるんです。番組開始当初からずっと関わっているディレクターは、鑑定士以上に詳しいといってもいいかもしれない。いま、6班態勢でやっていて、各班のディレクターは6回に1回担当するわけですから、最初からやってる人はもう120回。洋画から中国の陶器から書から……相当なジャンルのお宝を相当な数調べます。鑑定士はそれぞれの分野についてはプロですから、すばらしい知識をお持ちなんですが、ディレクター陣の幅広い知識の蓄積量は、相当なものになってると思いますよ。
 

—「続くと思わなかった」っておっしゃっていましたが、これだけ続いている秘訣というか、番組の面白さって何だと思われますか?
ひとつは熟年層をしっかりおさえていること。とくに若者に顕著ですけど、視聴者のみなさんは浮気をするものです。でもこの番組に関しては、F3・M3の方々は火曜日8時54分からテレビの前で待って観てくれています。その期待に応えているということ。それと、お宝の真贋や値段に対する単純な興味も、もちろんあるでしょうが、そこにドラマがあるのが大きいと思います。お宝そのものが先祖から愛されて受け継いできたものだったりとします。それを持ってきた依頼人は喜んだり恥をかいたりします。“絶対コレ本物だ! 1000万円はするぞ”と信じ込んでいたものが“2万円”っていわれて、放心状態になっている……そんなときの人間の表情って、意地悪な言い方ですけど画面上を通して視聴者として視ると面白いんですよね。また逆に“おお凄いなぁこの人”という感動もあったりすることもいい。
 

—お宝の値段を鑑定する部分だけではない、と。
出場者の思いは大きいですね。受け継いだものがニセモノだったときの落胆、逆に、すごい逸品だったときの感謝の気持ちとか。家族愛のようなものも垣間見えます。最近、60代以上の依頼人に顕著なんですけど、鑑定額を見て“売りたい”と。視聴者にしてみれば、そのお宝の歴史的な背景とか価値もVTRで紹介されたうえで、そういう迷いを見せられるわけです。 


—鑑定品そのものにも現在に至るまでのドロドロした歴史などがあるけれども、それを所有している今の人たちの人間くささもあって。
そうですね。鑑定額が数千万円ということになると、実際に兄弟ゲンカが始まってしまったり……放送後の話ではありますが、幾つかはあるみたいですね。でも一般の視聴者にそういう視点があることは否めないですし、司会の島田紳助さんもそこをいい具合にあおりますからね。“大変ですねー”とか“2万円でよかったやん”って(笑) 


—視聴率の折れ線グラフ的な話をすると、やっぱりそういうドロドロ部分のほうが上がるんですか?
そこは単純にやっぱり“オープン・ザ・プライス”のところが高いですね。構成上、真贋を含めて一番ドキドキするようなお宝を一番最後に持ってきているんですが、それが評価されるタイミング。いまですと19〜20%、いい時は22%はいきます。これはなかなか出ないですよね〜(笑) 『オープン・ザ・プライス!!』
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番組data
番組名 開運!なんでも鑑定団 ジャンル バラエティ・音楽
放送局 テレビ東京(テレビ東京系)
放送日時 毎週火曜日 20時54分~21時54分
番組URL http://www.tv-tokyo.co.jp/kantei/
主なスタッフ プロデューサー・脇坂清人(敬称略) スタッフ数 約30人
主な出演者 島田伸助、石坂浩二、吉田真由子、中島誠之助、北原照久、安河内眞美、阿藤芳樹、永井龍之介(敬称略)
放送開始日 1994年4月(2008で15年目)

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