一大イベントまでになった大会もこの部屋から創り作りだされる。

FIVBワールドカップバレーボール2007(フジテレビ系)

「FIVBワールドカップバレーボール2007」とは……4年に一度、オリンピックの前年に開催されるバレーボール大会。オリンピック、世界選手権と並ぶ三大世界大会のひとつで、1回戦総当たり(シングルラウンドロビン方式)を採用する。FIVB(国際バレーボール連盟)が主催し、1965年のポーランド大会からスタートし、1977年からは日本で連続開催されている。11月2日~12月2日の一ヶ月に渡ってフジテレビ系列にて独占放送。

サーブ権を持つチームがラリーに勝った場合にのみ点数が入っていたサイドアウト制から、サーブ権の有無なしに点数が入るラリーポイント制に移行した1999年。大きなルールの変更は、番組制作サイドにとっても大きな転換を余儀なくされた。


─1977年に日本で開催されるようになってから今に至るまで、フジテレビでの独占中継が続いていますね。

1977年は男女の同時開催がスタートした節目の年でもありました。それ以来ずっとフジテレビで独占放送、30年間という長い歴史と経験を積み重ねてきました。私が担当するようになったのは1999年の大会からになります。


─バレーボール競技はルール変更が何回かされていますが、近年にあったサイドアウト制からラリーポイント制への変更や、リベロ制の導入によって中継の考え方も変わりましたか?

そうですね。ルールが変更されるにあたり、すごく研究したのを覚えています。特に大きかったのはラリーポイント制への変更です。 ワールドカップバレーは、その放送権利料や大会規模の大きさから、プライムタイムでの放送になり、プロ野球中継と同様の2時間の放送枠となります。サイドアウト制のときは、デュースが続いて試合が長時間化することで問題になることがありましたが、そのときは放送時間の延長で対応することが可能でした。しかしラリーポイント制になると、1セットが15点から25点へと増えても、次々に点数が入るわけですから、短いと1セット20分くらいで終わってしまう。ワンサイドゲームだと、1時間あまりで終わってしまうことになるんですね。テレビ的には放送時間が長くなることも問題だけども、短くなることの問題も出てきた。プロ野球ですと、時間を残して試合が終わってしまった場合は、その試合の ハイライトシーンに加えて珍プレー好プレー集や選手紹介などをまとめた早終(そうしゅうぷろ)と呼ばれるVTRを流すなどしてつなぎますが、しかしその間に視聴率は落ちていってしまいます。その状況を回避するために、いろいろな工夫を凝らすことが必要になりました。


─ラリーポイント制へのルール変更で、番組を成功させるために工夫されたところとは?

例えば日本戦の場合、2セット目と3セット目の間を通常3分のところを10分にしてもらいました。前半の振り返りをできる時間がほしかったんです。 また現在ではスタンダートになったものに、レッドランプシステムというものがあります。これは主審の前に小さな赤ランプを用意して、中継車がボタンを押していると点灯し、その間はサーブ開始の笛を吹かないでいてもらうんです。その理由は、少しでも時間を延ばしたいこともあるし、何よりもスロー再生を使っていいプレーをしっかりと見せたいからで、通常は7秒くらいのところを、最大で15秒くらいに伸ばしてもらっています。 また、スポーツ中継は生放送でみていただくのがベストだし、そうであるべきだと思いますが、しかしフジテレビは民放なのでスポンサーのCMも重要です。短い時間で終わってしまう危険を避けることを含めて、時差の少ないVTR放送にしています。 つまり、ラリーポイント制によって1時間足らずで終わってしまわないよう、2時間の見ごたえのあるバレー中継をお届けするようにしているわけです。レッドランプシステムなども有効活用し、加えて、選手紹介のVTRなどもうまく利用して番組を構成しています。 当然これらの工夫は、すべてFIVBにテレビ局側から提案し了解を得ながら作っていきましたね。 当初は、本当に2時間枠でよいのかどうかの根本的な議論をしました。ワンサイドゲームになれば1時間くらいで終わるかもしれない。しかし、好ゲームになれば2時間は必要になるかもしれない。番組ではVTRを用意しておくとか、大会側ではセット間などで調整するなどのあらゆることを考えました。 ただ、ラリーポイント制は点数が次々に積算されていきますからわかりやすく、常に得点が動くので視聴者からするとドキドキ感がありテレビ的といえると思います。現代のテレビ事情からすると合っているのかもしれません。


─視聴者の気づかないところで、いろいろな工夫が行われているんですね。

そのほかにも、バレーの面白さを最大限伝えられるよう努力しています。
カメラの台数は劇的に増えました。本来中継は、最低6台もあれば放送ができるのですが、ルール改正によるラリーポイント制の速い展開を追うためや、いいプレーを撮るためにスーパースローや今大会からはウルトラスーパースローカメラも導入し、ブロックの瞬間、指先がボールの勢いで跳ね飛ばされるような、迫力のある映像を抑えます。国際放送用カメラや応援席用カメラなどを考えると、今大会では総勢28台のカメラで大会を追っていきます。かつての5倍の台数ですね。また迫力のある男子のサーブにはスピードガンを付けたり、音を拾うためにマイクをネットや線審の腕につけたりもしています。さすがにコート内にはマイクを置けませんから、選手の一番近くには誰がいるんだろうと考えての工夫です。 また今大会から初めて、コートをコの字型で囲む広告板をLED方式にしました。それまでは一定時間ごとに回転するドルナシステムと呼ばれる広告板だったのですが、LEDになることで広告の表現力が高まりました。また試合前の演出にも上手く活用できると考えています。LED広告は海外では主流となっていますが、選手の目に入るものでもありますので、試合を防げないよう考えています。それもこれも、FIVBや日本バレーボール協会が競技とテレビとの在り方について非常に理解があり、こちらからの提案を前向きにとらえてもらえることが大きいですね。

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番組data
番組名 FIVBワールドカップバレーボール2007 ジャンル スポーツ
放送局 フジテレビ(フジテレビ系)
放送日時 4年ごとの放送  本年度放送 2007年11月2日から   関連番組 「ワールドカップバレーへの道」  月1回放送
番組URL http://www.fujitv.co.jp/sports/volley/worldcup2007/worldcup.html
主なスタッフ ゼネラルプロデューサー・近藤憲彦、プロデューサー・木下智裕、チーフディレクター・高盛浩和(敬称略)
スタッフ数 約30名
主な出演者 解説者・川合俊一、中田久美、大林素子、益子直美、吉原知子(敬称略)
放送開始日 1977年11月(2007年11月で30年)

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