番組のキャッチにもなっている締めくくりの場。週末の昼時に心地いい海風にあたりながら、こんなところでご飯が食べられたならいいなぁと思ってしまうような夢のような空間。

太一×ケンタロウ 男子ごはん

「太一×ケンタロウ 男子ごはん」とは……

もちろん決断すべきときは決断するのだろう。番組の方向性もつねに考えている。だがプロデューサーが1人でグイグイ引っ張っていく類の番組ではないようだ。出演者2人の個性を最大限に活かすには? それを番組の魅力にしていくには? みんなで考え、みんなで実践。実は、機能しているのは“チーム”。


——国分太一さんとケンタロウさん、全然ジャンルが違いますよね。「おまかせ」と言っても、初回から普通にうまくいったんですか?

 もともと番組が始まる前に2人は知り合ってたんです。太一くんがブログを書籍化するときに、企画のひとつとして、ケンタロウさんと特製チゲ鍋を作るというものがあったんですね。ケンタロウさんは太一くんのご指名でした。なぜ彼だったかというと<TRUCK FURNITURE>という大阪の家具メーカーがありまして、ケンタロウさんが懇意にされてて、カタログに登場したりもしてるんです。そのカタログを太一くんが偶然見て…。その本の企画が非常に面白くて、ぜひ番組にしようと。それで僕がケンタロウさんのところに話をしにいったら「自分はタレントじゃないからずっと続くかわからないけれど、まぁ面白そうだからやりますか」みたいなノリで(笑)。

——番組のために組み合わせたわけではなく、そういう流れがあったんですね。

 番組始めるときに2人が言っていたのは「初めて料理番組をやる制作者とやりたい」ということ。僕もちょうど“普通”とされるテレビの作り方に疑問を持っていたところだったのでそれ面白いなと。料理のブツ撮りとか工程の撮り方とか、料理番組では当たり前のフォーマットから、僕らの場合はオリジナルで考えていかなきゃいけないわけです。でもそこが番組になるんじゃないかなと。

——で、さっきもおっしゃってましたが台本は……白紙?

料理の工程とレシピと“ケンタロウ’ Sポイント”という、工夫のポイントは明確にしてありますが、あとはほぼ白紙。あの台本見たら、普通タレントさんはキレますね(笑)。よく2人だけで100回やってきたと思いますよ。倦怠期もあったかもしれませんけど、収録のインターバルにリフレッシュしたり、本番での2人の新鮮さを保つために打ち合わせも極力短くしたり。あとはたまたま2人とも東久留米市生まれで同世代、嗜好も合うので。 ケンタロウさんが言ってたんですけど「(太一くんとの)距離感ってあんまり変わってないよね」って。ケンタロウさんは「太一くん」と呼んで、太一くんは「ケンタロウさん」と呼ぶんですよ。年齢はケンタロウさんが2つ上なんですが、これは料理番組で、彼が「先生」だからということが根本にたぶんあるんでしょうね。

——ちなみに、ケンタロウさんはつねに半ズボンですが、何かこだわりが?

実は2人とも半ズボンです。「風邪をひかない限り半ズボンでいよう」っていう取り決め(?)が、最初から2人の間にあって。部屋着に近いリラックスした雰囲気を出したいから、ということだと思うんですよね。冬場以外はスタッフも半ズボン(笑)。もちろん仕事なんですけど、半ズボン着用で、2週間に1回海辺のスタジオに集まるというのは、われわれにとってもちょっと非日常的なんですよね。そこでタレント、スタッフ分け隔てなく存在している。ケンタロウさんと照明さんが釣りの話をしていたり、「この間のあの料男子ごはんディスプレイ理作ってみたんだけどさ」って言ってるスタッフもいるし。「チーム男子ごはん」みたいな感じになってきてますね。夏にはキャンプに行き、秋には海外ロケに行き。太一くんとケンタロウさんは出演者で、中心にいるんですけど“チームの一員”。僕もプロデューサーではあるけれど同様です。そういう空気感は大切にしていきたい。全体的に非常にリラックスした空気があると思います。これは意図して作り出したものではないですね。内輪ノリになりすぎないよう気をつけてはいますが、それがいい形で表に出てるんだったらいいのかな。 



——その辺も含め“男子”って感じがしますね。『男ごはん』ではなく『男子ごはん』

2人に会った印象がそうだったんです。30代中盤、独身、イイ意味で子どもっぽい。自分たちの趣味とか楽しみはずーっと続けている。ハタチのとき好きだった音楽を今でも聴きつつ、新しいものもどんどん取り入れる。少年っぽさのある大人ですよね。あと“男子”って学生時代の言葉でしょ。“ちょっと男子~っ”とか“俺たち男子はさ”とか、大人になって言わない(笑)。あえてこの年代の人たちに“男子”ってふさわしいんじゃないかって。みんなで話し合って決めました。

——みんなで。

 ええ、基本的には2人の考えを最優先してます……そうするとプロデューサーのオマエは何やってんだっていう話になりますが(笑)。この2人が考えたものを具体化していく。いいものはもちろん、そのままでは無理なものについては実現可能な形にする。全部が全部、設定から料理から考えるというのは無理があるけれど、この2人が面白がれるというのは大切。本の作り方にしてもそうなんですけど、そこは始まったときから変わらない。

——メニューもみんなで決めてるんですか?

そうです。2人を含めてみんなで決めます。われわれも提案しますし、太一くんから「この間のアレがおいしかったから自分なりにアレンジしてみたい」とか。そこから気分で決めます(笑)。ただ旬は意識してます。今は季節関係なくなんでも買えますけど、“この時期にはこれがウマイ”ということは知ってたほうが楽しいから。あとはバレンタインや父の日など年間のイベントに合わせて。われわれは、料理番組としては実用的でありたいと思っています。

——簡単に手に入る材料で、誰でも作れる料理を紹介するみたいな?

そうですね。番組を見て、30分の中で覚えて作れる料理。そういう意味で見た人が作りたくなるもの。番組で見た印象と同じ美味しさがあるもの。最低限2人が美味しいと思えて、太一くんが作ってみたくなるもの。ケンタロウさんは合理的な料理家だと思うんです。何から何まですべて一から作ろうとは思っていない。コンソメの素を入れて成立するならそれでも構わない。でもその一方で、餃子の皮を一から作ったりする。買ってきた方が楽ですけど、意外に簡単にできるし作る過程が楽しいんですね。そういう興味や楽しみがひとつ乗っかれば、作ってもいいじゃないですか。味噌だってなんだって、コンビニでも買えるけど、それを作ってみよう……つまり、食べるための料理プラス趣味的な面白さ。悪ノリかもしれないですけど、干し柿を作ったこともありますし。失敗してリベンジしたりして。なんでそんなに干し柿にこだわるのかなっていうのがあるんですけど(笑)、作ること自体が単に楽しいという。むずかしそうなものも簡単に作れる。簡単なものをあえて手間を掛けて作る。作ることも楽しいしみんなで食べることも楽しい……これが番組らしさじゃないかと思っています。

——#99の「角煮定食」のとき、鰹節をからめる過程をすっ飛ばしたのに、撮り直さずに成り行きでいきましたよね。アレは?

それでいいと思ってるんです。料理に①から⑩までの工程がある場合、⑦と⑧の順番を間違えることなんて、料理を作っていれば普通にありますよね。塩を入れて強火にするはずなのに、先に強火にしちゃう、みたいな。そうなったときどうすればいいのかということが、テレビで紹介されてもイイと思うんですよ。じゃあ次どのタイミングで入れるのか。あとでもいいんだけど、今入れておくことでこういう味になると。それを知るのは悪くないでしょ? 間違いを認めてそこまで言えちゃうのがケンタロウさんらしさであり、この番組らしさなんだと思いますね。



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番組data
番組名 太一×ケンタロウ 男子ごはん ジャンル バラエティ・音楽
放送局 テレビ東京(テレビ東京系)
放送日時 毎週日曜 11時25分から11時55分
番組URL http://www.tv-tokyo.co.jp/danshigohan/
主なスタッフ プロデューサー・松澤潤、演出・掛水伸一、
ディレクター・中野貴文(敬称略)
スタッフ数 約10人
主な出演者 食べる天才・国分太一、作る天才・ケンタロウ(敬称略)
放送開始日 2008年4月20日

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