1961年から数え48年を経た今も進化し続けるスポーツ情報番組。スタリッシュな美術セットは時流に合わせた結果の産物。

SPORT

『SPORT』とは……

度重なるリニューアルを経て進化を続けたフジテレビの総合スポーツ情報番組。視聴者の支持を集め、制作者の誇りでもあったキャスター・佐々木信也による『プロ野球ニュース』の番組タイトルは、時代の流れの前に、自らを拘束させるものへと変質。新たな姿に生まれ変わるには、過去からの脱皮が求められた。


─フジテレビのスポーツ情報番組の歴史は深く、これまで何度もリニューアルされていますが、スタートは1961年4月から放送された『きょうのプロ野球』からになるでしょうか。
タイトルロゴ
そうですね。日本で一番人気のあるスポーツであるプロ野球を特集するというのが、そもそもの始まりです。他局は東京でやっている試合しか取り上げなかったところ、フジテレビではなんとか全6試合の映像を出していきましょうというのが、当時のこだわりでした。その後は『プロ野球ニュース』、『感動ファクトリー・すぽると!』、そして現在の『SPORT』と変遷してきたわけですが、今でも「プロ野球」が根底にあると思いますね。 


─『SPORT』へと変遷していった背景は?

2001年4月に『プロ野球ニュース』から『感動ファクトリー・すぽると!』へ変えましたが、そのときスタッフの頭の中にあったのは、もうプロ野球だけではスポーツニュースとして視聴者を満足させられないんじゃないかという想いでした。それで、思い切ってプロ野球ニュースという看板をはずし、もっといろいろスポーツ情報を均等に扱える土壌を作ったんです。当時はインターネットが爆発的に普及し、海外サッカーの情報などを積極的に収集する視聴者も増えていました。そうすることで関心の高いスポーツの種類も増えたことで実際のリアルな映像をみたいというニーズが生まれ、それに応えていこうと。さらには、他局では見られないようなスポーツニュースをどんどん提供していきたいとも思っており、こうした点が番組コンセプトになっていると思います。またイメージとしては、おじさん向けのプロ野球ニュースから、若い女性にも楽しんでいただけるように、スポーツニュースをショーアップして伝えたいとも考えました。そのため、『感動ファクトリー・すぽると!』では女性タレントをキャスターに多く起用するなど、華やかさのある構成にしたんです。そして2005年4月に『SPORT』としてのリニューアルを行った際、もう一度スポーツのコアな部分である汗や涙、感動といった部分もしっかり見せていこうと軌道修正しました。青と白を基調にしたイメージカラーやローマ字表記のロゴなど、よりスタイリッシュな印象に高めました。実際、『プロ野球ニュース』のイメージを払拭できたのは、ここ3~4年だと感じています。それだけ看板番組だったということでもあるんですが、取材先でも、フジテレビのスポーツ番組=『プロ野球ニュース』ととらえているアスリートが多かったんです。しかし、リニューアルのもと地道に努力していったことで、スポーツを幅広く扱う番組という認識が現場にも広まりました。


─これまで担当されていた他のスポーツ番組と比べ、違いを感じることはありますか?

僕は92年に入社して、最初はF1、次に『プロ野球ニュース』を経たのち、バレーボールやオリンピックなどを経験してきました。違いといえば、モチベーションの持っていき方ですね。やはり中継番組は、試合当日や決勝戦といったものに向かってモチベーションが高まっていき、終ると一端切れるんですね。それを何度も繰り返す。しかし『SPORT』は総合スポーツ情報番組なので、何か特定のモノにピークをもっていけるわけでもないですから、最初は戸惑いました。毎日MAXでも疲れますね。しかし経験を重ねることで、適度のコントロールできるようになったと思います。また、中継番組を担当するには該当競技の深い知識が必要ですが、『SPORT』では、どちらかというと知識の広さを求められるというのが、違いでしょうか。


─フジテレビのスポーツ中継番組の中に、時々『SPORT CAMERA』というカメラを見かけるんですが、あれはどのような考えで入れているんでしょうか?

あれは中継番組とは別に、番組『SPORT』から出している独自カメラになります。この発想は、前に担当していたF1からでのことなんですが、中継でスイッチングしているとき、ずっと定点映像を流しているチャンネルがあるのを見て、おもしろいなと思ったんですよ。それで、例えば野球なら、巨人の小笠原選手を試合中ずっと追ってみたらどうだろうかと発想して。ヒットを打ったとき、ダブルプレーになってしまったとき、守備でホームランを打たれたときなど、どんな表情を見せてくれるのか。また、ずっとベンチの様子を映していくというのもおもしろそうですよね。それで番組独自の『SPORT CAMERA』を導入したんです。最初は野球からはじめて、バレーボールやサッカーなど、他のスポーツにも広がっていきました。


─総合的にスポーツ情報をとりあつかっている立場にあるわけですが、スポーツ全体を見て何か変化を感じることはありますか?またそれを踏まえて放送番組ではどのように対応してゆくべきだと思いますか?

よく野球人気が落ちてきているといわれますが、それでもスタジアムにいくと、何万人もの観客で盛り上がっているんですよ。スポーツ自体が低迷したのではなく、楽しみ方が変わってきたのだと思います。昔はテレビでしか試合結果を得られませんでしたが、今はパソコンやケータイがあります。ひいきのチームや希望の情報だけを取れるようになって、どんどん細分化しているような気がします。この現状を踏まえて、テレビならではのよさを見出さなくてはなりません。そのため、試合結果をヘッドラインで見せるだけでなく、プラスアルファの付加価値をつけ、エンターテインメント化して見せていきたいと考えています。




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番組data
番組名 SPORT ジャンル ニュース・報道
放送局 フジテレビ(フジテレビ系)
放送日時 月曜日から木曜日 23時55分から24時35分 40分
金曜日 24時23分から25時05分 42分
土曜日 24時15分から25時05分 50分
日曜日 23時55分から24時25分 30分
番組URL http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/sport/index_frame.html
主なスタッフ 編集長・窪田正利、プロデューサー・岡泰二(敬称略) スタッフ数 約50人
主な出演者 メインキャスター・三宅正治、田中大貴、平井理央、
本田朋子(敬称略)
キャスター・国分太一、水野裕子、風間八宏、
フローラン・ダバディー(敬称略)
放送開始日 1961年「きょうのプロ野球」~
1976年4月「プロ野球ニュース」~
2001年4月「感動ファクトリー・すぽると!」
2005年4月「SPORT」

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