番組タイトルは、硬派路線を貫くという決意表明

報道発 ドキュメンタリ宣言

『報道発 ドキュメンタリ宣言』とは……

バラエティ番組全盛だった民放の平日ゴールデンタイムに異変が起きている。生放送の報道系ドキュメンタリー番組が登場したのだ。物語性のある番組構成、オールバーチャルセット、大竹しのぶや小林薫など俳優陣を起用したナレーションなど、ドキュメンタリーの新機軸を提示しているが、その狙いとは!?

  1. NHKの視聴者を振り向かせたい
  2. 「報道発 ドキュメンタリ宣言」とつけたからにはひよれない
  3. ドキュメンタリーのニーズは今後も増えていく

番組タイトルは、硬派路線を貫くという決意表明だという。しかし、ゴールデンタイムの番組であるからには、視聴率のプレッシャーもより重くのしかかってくる。加えてドキュメンタリーだ。視聴率と視聴質の二兎をハイレベルで追わなければならない。 



——企画やテーマは、どのように決めていますか?


この番組が始まった理由のひとつに、テレビ朝日系列全体としてドキュメンタリーの制作能力を向上させ、培ってきたノウハウを引き継いでいこうという意図があるんです。そこで、テレビ朝日の報道局や、系列局から広く企画を募集し、採用された場合はその方にディレクションをお願いしています。実際「スーパーモーニング」のスタッフや、静岡朝日テレビや山形テレビなどの系列局のスタッフと番組を共同制作しています。ただし、それだけで毎週回すのは厳しいので、制作会社に委託して制作している回もあります。 


——思ったように取材がいかない場合は、企画がボツになることもありますか?

どれだけ社会的意義があっても、一定のレベルをクリアしていないと表に出せませんよ。視聴率と視聴質の二兎を追わなくてはいけない宿命なんです。もし予定と違ってうまく取材が進みそうにない場合は、「勇気ある撤退も必要です」と常々スタッフに言っています。実際、途中で「これは厳しいね」と言って取りやめた企画もあります。 


——しかもタイトルが「報道発ドキュメンタリ宣言」ですから、余計にハードルが高くなりますよね(笑)


情報系のドキュメンタリーの場合は、「大家族」「大間のマグロ」「ホスト」といった好視聴率が期待できる定番の企画があります。でも、そちらには走れません。視聴率が期待できるだけではだめなのでね。非常に厳しいものがあります。 


——タイトル名はどのような意味を込めてつけられたんですか?


「宣言」とつけて、あえて退路を絶ったんです。ひよれないじゃないですか。もしタイトルが「月曜スペシャル」なら、美容整形やグルメ情報、旅番組でも、アリでしょうけど。 


——番組をやっていて予想通りだった部分と予想を裏切られた部分があったら教えてください。


だいたい想定した範囲内ですが、初回の視聴率にはびっくりしました。それ以降しばらくは6~7%でしたが、今年4月以降、平均視聴率が8.5%ぐらいまで上がっているので、ジワジワ来ているなという感じもしますね。信頼を積み重ねて、1~2年たって二桁に届けばいいなあと、わりと長期的な見方をしています。 


——どんなジャンルに大きな反響がありますか?


社会問題を扱ったほうが、きちんと見られている感じはします。冤罪や警察の裏金、学校の隠蔽疑惑などです。それと、この不況下で増収増益を続けている企業の秘密みたいな、前向きな企画ですね。逆に企業の倒産までをレポートしたときは視聴率がよくなかったんですよ。暗い内容より、元気が出るものを見たいというのが、いまの時代の空気なんですね。社会派系か頑張ろう系のどちらかでしょうか。それでも僕らはやってない(御殿場事件)


——個人的に満足されている企画はなんですか?
 

御殿場事件は、自分自身がずっと取材を続けてきた題材なんです。7年以上取材してきたものをゴールデンの1時間の番組で放送できたので、満足度は高いですね。これからも取材は続けていくつもりです。 
 

——メインキャスターに長野智子さんを起用した理由は?


夜7時台だと、ドキュメンタリー初心者の視聴者も多いと思うんです。初心者の場合、ナビゲーターというガイド役がいたほうがいいと思うんですね。その点、親しみやすさと信頼感を兼ね備えた長野さんは適任です。最近ニュースキャスターとしての力量もものすごくアップしてきています。警察や学校の問題点を指摘するにも、彼女の持っているメッセージ力は非常に強い。愛媛県警の裏金疑惑を扱った時も「説明責任を果たすべきです」とはっきりいいました。正義感が強くて報道経験をつんだ長野さんだからこそ言えたセリフだと思います。 


——大竹しのぶさんや竹下恵子さん、小林薫さんら俳優陣をナレーターに起用したのは?

調査報道であれば、アナウンサーや声優の方のほうがナレーターに適しているんでしょうが、心の機微や人間の心情を説明するのは、やはり舞台を経験している俳優のほうが圧倒的に上手です。なので、小林薫さん大竹さんの力をお借りしました。   

09年4月~代表カット
——スタジオはバーチャルセットですよね。ドキュメンタリー番組でセットをバーチャルにすることに抵抗感はありませんでしたか?

番組の直前は「スーパーJチャンネル」が放送されています。夜は夜で「報道ステーション」があります。リアルなセットだと、前後のニュース番組と差別化できないので、報道番組にない発想としてオールバーチャルにしたんです。また、CGやインターネット中継などフルに活用した画期的なスタジオ演出を心がけています。 


——番組のエンディングで、その回での登場人物である視聴者とスタジオの司会者が生中継の中で対話する場面がありますが、面白い構成にしていますね。テレビの向こう側でつくられている感じがしなくて、いままでのドキュメンタリーとはまた一味違う試みだなと思います。

生放送のライブ感をできる限り活かしていきたいんです。ドキュメンタリーパートと生パートをいかに組み合わせるか苦心しています。 


——どのようなスタッフで制作していますか?

常駐スタッフ以外にも先ほどお話したように、報道局、系列局、制作会社の力も借りています。一本の準備期間はおよそ3ヶ月ですね。もちろん半年や1年かかるものもあります。逆に、先日の新型インフルエンザの緊急特集のような場合は、スタッフを総動員して1週間でつくっちゃうこともあります。社会を揺るがすような事件は避けては通れませんからね。




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番組data
番組名 報道発 ドキュメンタリ宣言 ジャンル その他
放送局 テレビ朝日(テレビ朝日系)
放送日時 毎週月曜日 19時00分から19時54分
番組URL http://www.tv-asahi.co.jp/d-sengen/
主なスタッフ   スタッフ数  
主な出演者 ナビゲーター・長野智子 語り・大竹しのぶ、小林薫(敬称略)
放送開始日 2008年11月3日

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