新婚さんとの会話が沸点に達した時、このイスの出番となる。

新婚さんいらっしゃい!

『新婚さんいらっしゃい!』とは……毎週日曜12:55~13:25放送の視聴者参加型トークバラエティ番組。毎回2組の新婚夫婦を招き、司会の桂三枝やアシスタントの山瀬まみらの話術によって、結婚に至るまでのエピソードなどを面白おかしく展開。1971年の放送開始から基本スタイルは変わらず、国民的娯楽番組の代表的存在になっている。

番組開始当時、日曜13時は『魔の時間』と呼ばれ、『新婚さんいらっしゃい!』も半年持てばいいと考えられていた。しかし、司会者の腕と素人のパワーが組み合わさったとき、シンプルながらも力強い面白みが、そこに生まれていた。 


─1971年の1月から放送が始まり、38年以上が経過しました。

そうですね。2009年1月25日のオンエアで1912回目を数えます。自分は11代目のプロデューサーでして、担当してからまもなく5年目というところです。 
スタジオ全体画

─今では誰もが知る国民的番組となりましたが、どのようにしてこの番組は始まったのですか。

自分が聞いた話ですと、もともと日曜日の13時からの30分は『魔の時間』と呼ばれていて、何をやっても当たらない時間だったんですね。前の番組でも何をやってもよくなくて。1月という中途半端な時期からスタートしているのも、前の番組が調子悪くて打ち切りになったから。それで、当時ABCで『夫婦善哉』と『ただいま恋愛中』という視聴者参加型の人気トーク番組があり、それぞれ熟練夫婦と結婚前のカップルが登場していたので、ちょうど中間の新婚ならかぶらないでいいだろうというので『新婚さん~』が始まりました。『魔の時間』だし、半年くらいつなげられたらいいんじゃないかと、割と安易な感じで始まったんですよ。 それで、売れっ子でいらした三枝師匠に司会を頼もうと考え、「いらっしゃーい」という持ちギャグをそのまま番組タイトルにつけるから、やってくださいとお願いしたんです。 


─新婚さんが結婚にいたった経緯を公衆の面前で暴露するという番組内容ですが、スタート当初はなかなか公言しづらい時代だったのでは?

そうですね。やはり新婚さんというテーマですので、どうしても初めてキスとか、エッチとか、そうした要素が話題に上ってきます。昔は今ほどあけすけな表現ではなかったと思うのですが、トークでは重要なテーマなので、恥ずかしくも語ってもらっていたと思うんですよ。 しかし、そのうちに、こちらが期待している以上にそうした部分を恥ずかしげもなくしゃべれる素人さんが増えてきて、いつしかそれが売りになってきましたね。それに対して、三枝師匠もリアクションでコケたりと。パワーのある素人さんが登場し、それを視た素人さんが自分も面白い話ができると参加しようと思って……というように歴史がつながっているんだと思います。 


─これだけ長く続いている理由はなんだと思いますか?

結婚したばかりの男女というのは、その時代を反映していると思うんですよね。例えばつい先ほど収録した回だと、1組目の新婚さんは旦那さんも奥さんもご両親が離婚していて、母子家庭、父子家庭で育てられたという家庭環境でしたし、2組目は、旦那さんが派遣社員でいらして、いつ解雇になるかわからないから節約に努めているという話でした。まさに今の時代を現したような内容ですよね。新婚というカテゴリを切り取りことで、番組が時代を映し出す鑑になっているんじゃないでしょうか。「あ、今の新婚さんって、こういう生活をしているんだな」と知ることができる社会の窓にもなっている。こうした意識を持ち続けている限り、この番組が途絶えることはないと考えています。 


─素人である新婚さんが、番組を支えているんですね。

僕らが話を構成することは一切なく、新婚さんのエピソードだったり生い立ちだったりを事前に聞いて、「あ、おもしろいですね、じゃあそれをお願いします」って言っているだけのことなんですね。現実を切り取って、そのままスタジオに持ってきているだけなので、そのライブ感、ドキュメンタリー感、手触り感が、視聴者に支持されているのだと思います。 


─現実の話題を展開するわけですが、深刻な人生相談にならないのが不思議なところでもあります。

やはり三枝師匠が落語家で、言ってみれば庶民の生活をずっと垣間見ながらネタを作ってきた人ですから。僕らが番組で目指しているのは、ご近所の噂話をしにくる、おっちゃんおばちゃんの世界にしたいなと思っているんです。「あの家でこんなことがあったらしいで」みたいな感じ。三枝師匠や山瀬さんが、甥っ子や姪っ子の相談をいろいろ聞いているみたいな、そういう世界にしたいなと思っているんですよ。「最近会えへんけど、おまえどうやねん」「そんな悩んでんのやったら、言うてみいな」みたいな。そこで相談に乗るわけですけども、相手は息子や娘ではなく、ちょっと遠い親類程度なので、「こうしたらええねん」「こうしたらええよ」と無責任に言ってしまう。井戸端会議的なノリの、おばちゃんのハートをもって、「そんなん、俺やったらこう思うで」と。実際には何の解決にもならないんですけど、三枝師匠なりの解決策を提案して、お客さんがワーッて拍手して、近所のおばちゃんらが「そうやそうや」みたいに言ってるのと同じ図式ですね。基本的には無責任人生相談なんですよ。それがあって、あの軽いタッチになっているんでしょうね。 


─三枝師匠の性格がいい意味で反映されているんですね。

そうですね。面白がり屋でありながら飽き症で。そこで悩みを真剣に聞いていたら、別の番組になってしまうでしょうね。みのもんたさんや細木数子さんの番組のような。
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番組data
番組名 新婚さんいらっしゃい! ジャンル バラエティ・音楽
放送局 朝日放送(テレビ朝日系)
放送日時 毎週日曜 12時55分から13時25分
番組URL http://www.asahi.co.jp/shinkon/
主なスタッフ プロデューサー 藤田和弥(敬称略) スタッフ数 約40人
主な出演者 桂三枝、山瀬まみ(敬称略)
放送開始日 1971年1月(2009年で39年目)

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